2018/06/21 07:34
今回は女子力満開で綴っていきたいと思います。
だって今日のおはなしは、
ピンクよ、ピンク。
桃色よ?
るんるんよ~!
ピンク、と聞くと
なんか女子っぽさ、可愛さ、可憐さとか
恋愛、なんていうイメージも湧いてきます。
ピンク、を日本語で言おうとするとき
桃色、と言うのが一番わかりやすいかもしれません。
でも、古代の日本には「桃色」という言葉はまだありませんでした。
ピンク色の服を作るとき
桃の花をそのまま擦り込んで染めていたので
「桃染(ももぞめ)」とか「桃花褐(つきそめ)」と呼ばれていました。
「桃花褐」に似た色で「朱華色(はねずいろ)」という色があります。
ちょっとオレンジっぽいピンク。
アプリコットピンクってとこかしら。
↑今日はピンクのおはなしなのでたまにオネエ口調。
この「朱華色」。
服の色でその人の偉さを表していた頃は
めちゃくちゃ偉い人の色、と決められていたので、
めちゃくちゃ偉いおじさんが着ていた色でした。
例えば、聖徳太子もその一人。
聖徳太子もこのかわいらしい「朱華色」を纏っていたそうな。
この平成30年。
街で、偉そうなおじさまが
このアプリコットピンク的な「朱華色」のスーツに身を包んでいたら・・・
完全にやばいおじさんやな。
イメージ的にはそう・・・
土曜の昼間。
大阪の土曜の昼のお茶の間を彩る、新喜劇の放送。
吉本新喜劇の舞台の上ではよく
全身、黄緑色のおじさんを見ることがあります。
最近では、大阪ガスのCMにも登場されているあの方。
「アスパラ?」
「誰がアスパラやねん」
そう、あのくだり。
でも実際に町でアスパラさんを見かけることは無いですよね。
当時は、めっちゃ偉いおじさま達が
スンッとした偉い感じのお顔で
この可愛い色を纏って町を歩いていたんですね。へぇ~。
日本のピンクには他にもたくさん種類があって。
撫子色(なでしこいろ)
紅梅色(こうばいいろ)
石竹色(せきちくいろ)
桜色(さくらいろ)
鴇色(ときいろ)
などなど。
いろんな桃系色があるけど
どの色も、昔からやっぱり、「恋」を連想する色だったようで。
そう思わせるような句が残っています。
「はしきやし、吾家の毛桃、本しげみ、花のみ咲きてならざらめやも」
「桃の花がこんなに茂っているのに、この恋が実らないわけないじゃない♡」だってさ。
きっとこの句を詠んだ人の目はハートだったんだろうな。
桃の花を恋の象徴としてとらえていたことがはっきりと、わかりますよね。
そしてもう一つ。
源氏物語のなかでも、恋に落ちる場面のまさにその瞬間!
桃系色を使って描かれている場面があります。
貴公子の柏木さんが蹴鞠(けまり)をしていて、
光源氏の正妻を見初める場面。
突然、猫が驚いて走りだし
几帳(カーテンみたいなの)がめくれ上がったとき・・・
美しき光源氏の正妻、女三宮が几帳の下からチラリズム。
「紅梅にやあらむ、濃き薄き、すぎずぎに、
あまた重なりたるけじめはなやかに、
草子のつまのように見えて、さくらの織物の細長なるべし」
めくれ上がった几帳の下から見えたその女性の装いは・・・
様々な紅色の着物を着て
その上に桜色みたいな色を纏った
超絶可愛い平安ピンクコーデの・・・
なかば、林家パー子のような装いの・・・
いや、ちがう!!!
きっともっと可愛かったんや!
(パー子も見方によると可愛いかもしれないが)
美しく淡いほのかな紅色の着物を纏った
可憐~なそのお姿が見えちゃったのでした。
当時は女性が男性の前にお姿を現すことはなかったのよ。
かならず几帳の中にいらっしゃって。
だからお顔なんて見えないけど
几帳や御簾の下から見えるその装いや
その方の影を想っていたのよ、昔の殿方は。
そうやって普段、そうそう拝見できないお姿を
猫のおかげで!
ちょっとチラリズムしちゃったもんだから。
こっそり心に想ってたんだけど
もう火がついちゃって、ズッキュンよ、ズッキュン。
もう止まらないよ、恋心。
しかし・・・
桃系の同系色のコーデって
なかなか難しいやろけどなぁ。
下手すりゃほんとパー子。
(いや、パー子も見方によると可愛いかもしれないが)
物語の中で
彼女はこんなコーディネートだったそう。
表は白なんだけど、裏に紅色を使っているので
裏地の紅色がほんのり透けて
表の白に淡く紅色がうつった着物。
その上に、
桜色の細長(イメージ的にはスカーフとかショールみたいなかんじかな?)を。
白、紅色、桜色。
ぼやけがちな同系色のコーデだけど
白を用いたことで、しっかりとメリハリをつけて。
ほんのり透けた紅色や桜色は、
女三宮の若さや雅さを際立たせるものだったんでしょうね。
罪よね~。
↑やっぱりたまにオネエ口調
こうして
女三宮のその紅色の濃淡のピンク色が
ドロ沼劇の始まりになっちゃうのでした。
源氏物語、フィクションとはいえ
この物語の中での色の使い方、ほんっとにニクいというか何というか。
もう最高よね~。
↑やっぱりたまにオネエ口調
当時はテレビドラマなんかないけど
この色の使い方できっと、
読者の頭の中にめちゃくちゃ鮮明に、ドラマのように展開されたことでしょうね。
昔もいまも、
ピンクは女子の魅力をひきだしてくれる色。
私はあまり
着ることのない色だけど
たまに纏うと気分もルンルンなるかもね!
今回は
恋が生まれちゃう!?桃系色のおはなしでした。